Zipp史上最高のエアロホイール?Zipp 454 NSWのリムの秘密

2016年11月に発表されたZippのNEWホイール「Zipp 454 NSWカーボンクリンチャー」。2017年1月には日本での販売価格も決まりましたね(後述)。一目見た瞬間にこれまでのホイールとは違う何かが目に入ります。

そう、リムがうねうねなのです。うねうね。

出典:http://www.zipp.com/

ほら、うねうね。

出典:http://www.zipp.com/

最新バイオメティクス(生物模倣技術)とザトウクジラのヒレからヒントを得たこの新しいZipp 454 NSW。ちなみにバイオメティクスとは、自然の生態系・自然界に存在するものを観察し、その効力を製品に活かそうという試み。その詳細を見ていきましょう。

なお、「NSW」はそのまま「エヌエスダブリュー」と読むそうです。

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なぜリムがうねうねなのか?

まず着目しなければいけないのは、Zipp 454 NSWの目玉でもあるうねうねのリムです。

もともとZipp 454 NSWは先行モデルであるZipp 404 NSWを基にして作られました。Zipp404NSWより更に優れたエアロダイナミクスを追い求め、ZIPP が辿りついたのが、ザトウクジラのヒレを模倣した SawTooth (のこぎりの歯)という独自の形状でした。クジラはなぜ水中でも抵抗なくスムーズに泳げるのか?という発想。

出典:http://www.zipp.com/

そしてこのうねうねのリムのコブに与えられた名前が「Hyperfoil」です。

Zipp 454 NSWのリムハイトは高低差があります。一番高い所は58mm。一番低い所は53mm。その高低差は5mmです。454の真ん中の5はこの高低差5mmを表しているそうです。それがZipp 404NSWとの名称の違いだそう。

出典:http://www.zipp.com/

Zipp 454 NSWの紹介動画はコチラ

ディンプル加工も六角状に変化

Zipp NSWシリーズのもう一つの特徴といえば、ホイール表面に施されたディンプル加工です。薄い穴がボコボコ空いている加工。

ホイール表面におけるディンプル加工における空気抵抗の優位性については様々な議論がありますが、Zippはこのディンプル加工を積極的にホイール表面に取り入れています。

出典:http://www.zipp.com/

ディンプル加工の効果はコチラの論文などに超詳しく書かれていますが、専門的すぎるので簡単に解説すると

「ホイール表面に小さな凹凸を作り、意図的に小さな乱気流を発生させることで、気流の剥離を防ぎ、ホイール全体にかかる大きな乱気流を抑制し、結果的にホイールを安定させる」効果が期待できる、とのこと。

最も代表的なディンプル加工による効果はゴルフボールでしょう。(詳細)

これまでのZipp 404 NSWなどはホイール全体に丸形のディンプル加工が施されていましたが、今回のZipp 454 NSWはリム形状のと兼ね合いを考えた結果、六角状のディンプル加工が一定の間隔をおいて施されています。

ちなみに、このディンプル加工は「HexFin」ABLCディンプルと呼ばれています。

なぜ他社のホイールはディンプル加工しない?

そんなに効果があるのに、他のメーカーはなぜディンプル加工を採用しないの?
と思うかもしれませんが、この自転車ホイールリム表面にディンプル加工を施す技術はZippの特許なのです。だから安易に他社は真似することができないみたい。

もし特許じゃなかったらカンパニョーロやマビックのホイールもディンプル加工が主流になっていたかもしれないですね。

出典:http://www.zipp.com/

このうねうねSawToothリムと、六角状の「HexFin」ABLCディンプル加工の組み合わせがZipp史上最高の空力性能を生みだす結果となりました。

デカールではなく直プリント

ホイールのロゴに至るまで、Zippの空力に対するこだわりが見えます。Zipp 404 NSWでもそうですが、リム表面のディンプル加工に影響を与えないため、ホイールのロゴはデカールやシールではなく、ImPressという技術でホイールに直プリントされています。うーん、綺麗だ。

結局どのくらいエアロ効果が向上したのか?

理屈はさておき、一番気になるのは「結局どのくらいエアロ効果が向上したのか?」です。

ホイールのエアロ効果は、当然ヨー角(風を受ける角度)によって変わります。ヨー角0度の時は他のZipp 404 NSWの時と変化はありませんが、ヨー角が上がるにつれてこのZipp 454 NSWのうねうねリムが効果を発揮するそうです。

最も効果が得られるのはヨー角5~15度の時。このヨー角5~15度になった場合、これまでのZipp 404 NSWと比べて約15%空気抵抗を削減することに成功したそうです。

自分で体感してみるまで何とも言えませんが、テストデータ上はエアロ効果はかなり向上している模様。まぁそうじゃなければ新ホイール出す意味ないしな。

ハブは同じくCongnitionハブ

Zipp 454 NSWに採用されているハブは他のNSWシリーズ共通のCongnitionハブです。

出典:http://www.zipp.com/

Zipp独自のフリー構造「Axial Clutch」を搭載することで、ぺダリングを止めた際にラチェット機構を半分解放し、ハブシェルとフリーボディ間の抵抗を低減してくれるというものです。

言葉での説明が分かりにくいので、Zippの動画を見た方が早いと思います。英語ですが、映像だけでも構造は理解できます。

 

Zipp 454 NSWカーボンクリンチャーその他のスペック

スポークとニップルは人気のサピム製です。

リム最大幅:27.8mm
重量:1525g(フロント690g、リア835g)
フリー:シマノ/カンパニョーロ 10-11速対応
付属品:ホイールバッグ、チタンクイックリリース、バルブエクステンダー、ブレーキシュー、チューブ700c x 20-28mm、リムフラップ700c x 20mm

出典:http://www.zipp.com/

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気になる価格は・・・

さて、2017年1月、日本での正規販売価格が決定しました。フロント238,600 円、リア290,500 円・・・前後セットで529,100円!!!!

え・・・たけーーーーー。
ちょっと高すぎない?(笑)びっくりだわ。

まぁ、最新技術で組み上げにも時間がかかるみたいで、元の値段が4000ドルオーバーなので、日本での取扱い価格としてはこんなもんになるのも当然かもしれません。

いや、しかし、たけーよ。

Wiggleで早く30%オフとかになってくれないかなぁ。

私が買ったBora Ultra 50前後セットの2つ分以上です。買う人は限られてくるでしょう・・・。うーむ、これ買うならBora Ultra 50デュラエース9100セット3T Aeronovaハンドル買うかなぁ。

 

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