これまで色々なクリンチャータイヤを試してきましたが、まだ試した事が無かったクリンチャーのカテゴリがあります。
クリンチャーのカテゴリというと「え、クリンチャーはクリンチャーじゃないの?」と思われるかもしれませんが、この世には色々なクリンチャーが派生しているようで(笑)その中でも独特の存在感を放つのが「チューブラークリンチャー」です。
チューブラークリンチャーとは、その名の通り、クリンチャーホイールに装着可能なチューブラーっぽいタイヤである(笑)
タイヤの構造はチューブラーと同じで、真円タイヤの中にチューブが縫い込まれているため別売りチューブを必要としない筒形の構造。その下にクリンチャーホイールに装着するためのビートバンドがタイヤにあらかじめ付いています。通常チューブラーはリムセメントやチューブラーテープ等を使ってホイールに直接固定しますが、この固定剤がクリンチャー用のビートバンドになったイメージです。
出典:https://www.bike24.com/p26278.html
↑こんな感じに、タイヤは真円のチューブラーと同じですが、クリンチャー用のビートが下についています。
装着時のコツはちょっと違うようですが、クリンチャーと同じような感覚で装着することができます。
要は「クリンチャーだけどチューブラーっぽい乗り心地が欲しいよね!」という方向性を目指して作られたもの。
そしてこのチューブラークリンチャーというゲテモノタイヤを作っているのがチェコにあるタイヤメーカー「TUFO(テューフォ)」です。
知ってる人は知ってるし、知らない人は知らない。ややマニアックなメーカーです。
チューブラークリンチャーを自分で確かめる
さて、このいかにも画期的そうなチューブラークリンチャーですが、比較的以前から存在しています。元々TOFUはチューブラータイヤに強いタイヤメーカーですが、クリンチャーも一応作っています。そして自社の強みとするチューブラー技術とクリンチャーを組み合わせて作ったのがチューブラークリンチャー。
出典:http://www.tufo.com/
チューブラークリンチャーという独特の商品を持ちながら、ネット上でのチューブラークリンチャー自体の評価やレビューはやはり少ないです。
あったとしてもあまり詳しく比較されていなかったり、微妙な評価だったり・・・。
まぁそれだけ微妙なタイヤなのかなぁ、とも思いつつ、やはりここは自分で試すしかない!
という事でTUFOのチューブラークリンチャーを買ってみる事を決意しました。いざ人柱。
TUFOチューブラークリンチャーのラインナップ
TUFOのチューブラークリンチャーには当然いくつかのラインナップが存在します。主な違いはコンパウンドやパンク耐性。
ラインナップは次の通り。基本的に上から順にグレードが高いです。
ちなみに頭文字のCはチューブラークリンチャーを指します。(チューブラーモデルは Cなし)
C-Elite-Rideシリーズ
TUFOのフラッグシップモデル。
コンパウンドは活性シリカがメイン。パンクプロテクション用の層がトレッド下にある。
タイヤサイズは23Cと25Cの2種類。レース使用を想定されたタイヤです。
出典:http://www.tufo.com/
サイズ:23C、25C
重量:315g、355g(ビート部分除く)
適応リム内幅:13mm~15mm
TPI: サイドウォール210TPIbr /> トレッド部分 375TPI
C-Elite S3 < 225g
C-Eliteとの違いは主に耐パンクベルトの素材と重量です。
特にトレッド下にある対パンク層にはE-Eliteには採用されていない「VECTRAN PUNCTURE BARRIER」という独自開発のラバー素材が使用されており、より対パンク耐性を高めているとのこと。
< 225gという表記はその表記の通りタイヤ部部分は225g以下に抑えている軽量モデルですよーという意味。
下で紹介するC-HI-Composite Carbonも対パンク性能を高めたタイヤですが、C-HI-Composite Carbonはトレッド素材で耐性を高めたのに対し、こちらはトレッド下の対パンクベルトで耐性を高めているので、転がり抵抗への影響度合いはこちらの方が少ないです。そして軽い。
出典:http://www.tufo.com/
サイズ:23C
重量:225g(ビート部分除く)
適応リム内幅:13mm~15mm
TPI: サイドウォール210TPI
トレッド部分 375TPI
C-JETシリーズ
こちらはタイヤサイズC19の細身タイヤ。主にトライアスロンでの使用を想定されているタイヤです。
ちょっと細すぎるので今回は選択対象外。
サイズ:19C
重量:305g(ビート部分除く)
適応リム内幅:13mm~15mm
TPI; サイドウォール120TPI
トレッド部分 240TPI
C-HI-Composite Carbonシリーズ
C-Eliteと同じく活性シリカがメインのコンパウンドにカーボン繊維を混ぜ耐久性を増したモデル。練習とレース兼用を想定されたモデルです。C-Eleteよりやや重い。
こちらもタイヤサイズは23Cと25Cの2種類。25Cの方は2016年1月に発売されました。
サイズ:25C
重量:375g(ビート部分除く)
適応リム内幅:13mm~15mm
TPI; サイドウォール120TPI
トレッド部分 240TPI
C-S3シリーズ
TOFUチューブラークリンチャーの中で最も安いモデル。コンパウンドはカーボンブラックコンパウンドが採用され、耐久性に重点が置かれています。公式サイトでも「練習用」との説明がある練習用タイヤ。TPIもかなり低い。
でも練習用にチューブラークリンチャー選ぶ人は相当の変わり者ではないでしょうか(笑)多分買う人かなり少ないんじゃないかな・・・。
サイズ:21C、24C
重量:335g、385g(ビート部分除く)
適応リム内幅:13mm~15mm
TPI:サイドウォール60TPI
トレッド部分90TPI
どのTUFOチューブラークリンチャーを買うか
トライアスロン向けのC-JETはあまり用途なさそうだし(何よりC19だし)、練習用のC-S3を買うのは勿体ないし・・・・となると選択肢はC-Elite-RiteかC-Elite S3 < 225g、C-HI-Composite Carbonになるわけです。まぁ、せっかくなので、ここはフラッグシップモデルにしましょう。となるとC-Elite-RideかC-Elite S3 < 225gという2択になるわけです。
技術的にもカタログスペック的にも、より高性能な雰囲気を醸し出しているのはC-Elite S3 < 225gの方ですね・・・。
あれ・・・リム幅大丈夫!?
と、ここまで来て重大な問題に気付きました。
タイヤの注意書きをよく見ると・・・
※適応リム内幅:13mm~15mm
・・・13mm~15mm!!!?
∑( ゚д゚ )ポカーン
そう、何とチューブラークリンチャーの適応リム内幅は13mm~15mmという激狭仕様なのである(笑)
私のBora Ultra50にはめようと思ったけどダメじゃねーか(笑)
(Bora Ultra 50のリム内幅は17mm)
ワイドリム化が進み、リム内幅17mmが主流となりつつなる昨今、これはちょっと時代の流れに乗り遅れている気がしますなぁ・・・。それだけ廃れてしまう運命の技術なのでしょうかチューブラークリンチャー。。。
新しいシャマルウルトラC17とか確実にハマらないじゃん。
2016年に発売されたC HI-COMPOSITE CARBON 25は25Cタイヤで、日本代理店のトライスポーツのHPには適応リム幅の指定は書いてないですが、TUFOのオフィシャルサイトにはバッチリ「Rim size 28″ 700 C E.T.R.T.O. 622×(13–15) mm」って書いてるんだよなぁ。コレどっちが正しいの?
おそらくリム内幅17mmのホイールでもハマらないことは無いんだろうけど、ちょっと怖いなぁ。走ってる途中に脱輪とかマジ勘弁です。。。
早くワイドリム対応してくれ
ワイドリム化されたホイールにハマるかどうか定かではありませんが、早く公式的に17mmリム内幅にも対応してほしい所です。
せっかくチューブラークリンチャーなんて面白いものがあるんだから。。。
ちょっと今使っているBora Ultra 50には適応しないタイヤですが、以前使っていたシャマルウルトラMEGA G3ならばリム内幅15mmなので何とか行けそうです。
てかこんなキワモノタイヤのレビューを求めている人なんているのか(笑)
何となく使っている人が少ない理由が分かった気がします。。。
買うとするならば
うーむC-Elite S3 < 225gにしようかなぁ。でもこのタイヤ23Cしかラインナップがないんだよなぁ。どうせなら25Cも試してみたかったけど。
しかしC-Elite S3 < 225g、あまりにも情報が少なすぎる。。。
レビューしてる人なんて誰も出てこないし、卸のトライスポーツにもあまり情報載ってないし、頼りになるのは海外のTUFO公式サイトくらい・・・。やはり一般的にはかなりマニアックなタイヤなのか。
という事でレビューが少ないC-Elite S3 < 225gを買って試してみることにします。
出典:http://www.tufo.com/
果たしてチューブレスクリンチャーはキワモノなのか、それともヴィットリアコルサやスペシャライズドターボコットンを超えるダークホースとなるのか。
インプレ記事をお楽しみに~。
なお、TUFOのタイヤを置いているショップは少ないです。
最新情報をお届けします