当サイトでもしつこいくらい出てくる最高の万能おすすめタイヤ「コンチネンタルグランプリ5000」ですが、海外のロードバイクタイヤ検証サイトBICYCLE ROLLING RESISTANCEそのパンク耐性やスレッドの摩耗・すり減り具合を記録した耐久テストが日夜行われていることを知っているでしょうか。
過去にコンチネンタルグランプリ4000S2で8000kmにもおよぶ耐久テストを実施した同期間ですが、今回のグランプリ5000ではより正確な検証過程を記録するために1000kmごとに検証結果が発表されています。
2019年10月末時点で発表されているのは合計走行距離2000km。今回はその検証結果を少し除いてみましょう。
検証元記事はコチラから(英語)↓
私のインプレ記事はコチラ↓
コンチネンタルグランプリ5000摩耗耐久テストの条件
テストは毎週100kmずつ行われ、このテスト結果は2~3ヶ月に1回更新されています。
タイヤサイズと重量
耐久テストに使用されているコンチネンタルグランプリ5000のサイズはフロント28C、リア32Cと、現在主流となっている25Cよりもやや太めのタイヤでテストされています。
ライダーの体重は約75kg、ロードバイクの重量は約10kg。合計約85kgの重量を想定して行われています。
このテストは実際の道を走るのではなく、このテスト機関がいつも使用しているドラム官型ローラーの上で行われています。
その他細かい条件
最初の1000km | 次の1000km | 合計 | |
実験日数 | 180日 | 91日 | 271日 |
走行距離 | 1000 km | 1000 km | 2000 km |
ウェット路面 | 162 km | 171 km | 333 km |
ドライ路面 | 838 km | 829 km | 1667 km |
平均気温 | 12.5 C | 18.3 C | 15.4 C |
平均時速 | 28.2 km/h | 29.3 km/h | 28.8 km/h |
空気圧 | 65 psi / 4.5 bars | 65 psi / 4.5 bars | 4.5 bars |
パンク回数 | 0 | 0 | 0 |
テストを行わない日はなるべく環境の影響を受けないように実験用タイヤは平均気温10-15℃の太陽の光を遮断した地下室に保管されているそうです。
2000km連続で走り続けるのではなく、毎週100kmに分けて時速29kmくらいで走行している状況は、プロレーサーが実業団といった「ガチ勢」といった方々よりも、よりホビーライダーや週末ライダー、ロングライダーに近い走行状態を再現している言えるので、検証結果が参考になる方々の分母はより多いのではないでしょうか。
実際の道路での走行実験ではないものの、そういった意味ではより実践的な耐久テストといえるでしょう。
検証結果:2000km走ったらどうなったか?
結果として2000km走行では当然のようにパンクは0回。
タイヤの表面はようやく1000km-2000km走行で「新品感」がなくなり始め、リヤタイヤではすり減り具合を示すインジケーター(下記写真の穴の部分ね)に少し変化が見られたようです。
ケーシング自体はまだノーダメージだそう。
新品→1000km→2000kmにわたるそれぞれのタイヤ変化は下記の通り。
フロントタイヤ(28C)の変化
新品の状態 | 1000km走行後 | 2000 km走行後 | |
タイヤ重要 | 235 g | 233 g | 233 g |
インジケーター | 0.70 mm | 0.65 mm | 0.65 mm |
タイヤ厚さ | 2.6 mm | 2.6 mm | 2.5 mm |
タイヤ幅 | 28.5 mm | 29.0 mm | 29.1 mm |
転がり抵抗 (空気圧100 psi / 6.9 bars) | 10.3 Watts | 11.2 Watts | 11.3 Watts |
転がり抵抗 (空気圧 80 psi / 5.5 bars) | 11.5 Watts | 12.2 Watts | 12.5 Watts |
転がり抵抗 (空気圧 60 psi / 4.1 bars) | 14.1 Watts | 14.6 Watts | 14.9 Watts |
タイヤ厚さが0.1mmほど薄くなっていますが、タイヤが新円ではないため測定位置にもよるものだそう。このコンチネンタルグランプリ5000のタイヤ厚は2.62mm-2.52mmの間であり、このレンジであれば誤差範囲として認識してもよいのだそう。2000km走行でこの範囲に収まっているのであれば他のタイヤと比較しても最も耐久性の高い部類に入るようです。
タイヤ幅は同じ100psi / 6.9barの空気圧で測定した際に新品時から約0.6mm増となっています。ちなみにリムは内径17Cのリムを使用しているようです。
最も気になる転がり抵抗ですが、やはり走行距離が増すごとに転がり抵抗は少しずつ増す傾向にあります。特に新品の状態から1000kmの間には大きな差があり、この結果はコンチネンタルグランプリ5000信者にとってはややショックな内容なかもしれません。
しかしながら、その後、1000km-2000kmの間は最初のような大きな変化は見せずに緩やかな抵抗増加となり、安定した転がり抵抗の低さを保っています。
例えば100psiで2000km走った際の転がり抵抗が11.3ワットとなっていますが、これはあのスペイサイドの最高峰タイヤであるターボコットンや、SCHWALBE PRO ONE チューブレスイージーを新品に近い状態で使用した際の転がり抵抗とほぼ変わらない大変優秀な数字となっています。
リヤタイヤ(32C)の変化
新品の状態 | 1000km走行後 | 2000 km走行後 | |
タイヤ重要 | 278 g | 274 g | 273 g |
インジケーター | 0.90 mm | 0.80 mm | 0.70 mm |
タイヤ厚さ | 2.7 mm | 2.5 mm | 2.4 mm |
タイヤ幅 | 31.8 mm | 32.4 mm | 32.6 mm |
転がり抵抗 (空気圧100 psi / 6.9 bars) | 9.7 Watts | 10.5 Watts | 10.8 Watts |
転がり抵抗 (空気圧 80 psi / 5.5 bars) | 11.0 Watts | 11.7 Watts | 12.1 Watts |
転がり抵抗 (空気圧 60 psi / 4.1 bars) | 12.9 Watts | 13.6 Watts | 14.0 Watts |
数値の傾向としては同じような流れです。
ただ、リヤタイヤの方がより重量負荷がかかるためか、タイヤの厚さの減り具合がフロントよりも顕著に表れています。
転がり抵抗も同じような傾向ですが、同じくリヤの方が重量負荷が大きいためか、空気圧の低い60 psi / 4.1 barsのレンジではフロントと比べて抵抗の増加が大きくなっています。これはタイヤの幅がよりワイドであることも起因しているのかも。
いやしかし、32Cでここまで転がり抵抗が低くでるんですね・・・。びっくり。やはりリムやホイールの進化に合わせてタイヤはより太いタイヤの使用率が今後高くなるのでしょうか。
コンチネンタルグランプリ5000耐久テスト2000kmまとめ
総じてコンチネンタルグランプリ5000のタイヤ摩耗率は低いといえるそう。
このまま8000km走り続けても恐らくタイヤは走行可能な状態を保つことができるでしょう。
前作のコンチネンタルグランプリ4000S2や私の個人的なインプレッションから、コンチネンタルグランプリ5000のレース使用に支障が出るのは3000kmを過ぎたあたりから。
乗り心地に違和感が出てくるのは5000kmを過ぎてからではないかと感じています。
逆にいうとそれくらいは問題なく持つと思う。
この耐久テストは今後も続き、最終的に8000kmまたはタイヤが使えなくなるまで検証を行っていくようなので、今後の検証結果のアップデートからも目が離せません。
もし欲張りを言うのであれば、もっともっと比較対象となるタイヤのデータが欲しいところです。競合となるミシュラン Power Competeitionやシュワルベ Pro One、ヴィットリアのコルサグラフェン2.0なども当然ですが、せっかくの耐久テストなので、他メーカーのエンデュランス仕様のタイヤと耐久比較を行うとめちゃめちゃ面白そうですね。
何かコンチネンタルグランプリ5000が勝ってしまう結果になりそうな気もするのですが、もし本当に勝ってしまった他メーカーのエンデュランスタイヤの存在意義とは・・・。
と、まぁいずれにせよ今後が楽しみです。
コンチネンタルグランプリ5000の発売から早1年が経とうとしていますが、ここまで世間を注目させているこのタイヤはやはり「最強の万能タイヤ」の冠がふさわしいのかもしれません。
少なくとも私の中での評価はいまだにトップに君臨し続けています。
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