タイヤのTPIと適正空気圧について

タイヤの性能を高めるにあたり、無視できないのが空気圧です。初めてロードバイクに乗った時は、空気を入れる時にどのくらい入れればいいか分からず、パンパンにしてしまった・・・という方もいらっしゃることでしょう。実は私もそうで、パンパンにしたタイヤでロードバイクの点検をしてもらったところ「空気いれすぎだよ・・・」と整備のお兄さんに呆れられたことがあります。。その時になって初めて「え?空気っていっぱい入れればいいもんじゃないの??」と思ったくらい当時はタイヤと空気圧について無知でした。

空気圧によりタイヤの転がり抵抗や振動吸収力やグリップ力も変化します。適切な空気圧でなければ、せっかくの高性能タイヤも十分な実力を発揮できずにただ摩耗してくだけの残念なタイヤになってしまいます。

ここでは、タイヤの性能を100%引き出すためにも重要な要素であるTPIと適正空気圧について説明していきます。

スポンサーリンク

空気圧の前にTPIを知る。TPIって何?

TPIとは、「Thread Per Inch(スレッド パー インチ)」の略語であり、ケーシングの1インチ(2.54cm)あたりの繊維の総数を意味します。 ケーシングはタイヤを構成する繊維のカタマリであり、空気(チューブ)の受け皿となっています。ケーシングはゴムと繊維(ナイロン、コットン、ケブラー、ポリコットン等)で出来ています。この数値が低い場合、タイヤのケーシング(内側)内の繊維1本1本が太い繊維で構成されていることになります。その場合、剛性が高く、タイヤの変形が少ないタイヤとなります。逆にこの数値が高い場合、繊維は細く軽量で、より柔軟性の高いしなやかなタイヤとなります。 柔軟性の高いタイヤは、路面に合わせてタイヤの周りを柔軟に変形させることで路面の凸凹による振動を吸収することが可能です。

  • TPIが低いタイヤ
    →繊維が太く、剛性が高い。タイヤの変形が少ない。
  • TPIが高いタイヤ
    →柔軟性が高く、しなやか。グリップ力が上がる。

実際のタイヤTPIを見てみると・・・

では実際のタイヤで例を見てみましょう。

※ミシュランは110 TPIのケーシングが3層になっている構造です(他のタイヤもそうですが)。なのでミシュランはパッケージ上「3×110 TPI」という表記をしています。

なん・・だと・・・?

一般的に耐パンク性能が高いコンチネンタルと、耐パンク性が低いと言われるミシュランが同じ最もTPIが高いではありませんか。
なんでも理論通りにはいかないものですね。。。これはタイヤの表面であるトレッド部分の影響が高いからと考えられます。コンチネンタルは周りを固めまくっていらっしゃる。

と、まぁ、何でも数値通りにはいかないものですね。現在はタイヤの構成も複雑になってきて、タイヤ表面の性能もどんどん上がっています。また、実際の走り心地は感覚的なものもあるので、必ずしもこのTPIの理論通りに従う必要はないかもしれません。ただし!空気圧に関してはこのTPIは重要な参考数値となります。なぜならば、タイヤの空気とタイヤの表面を繋ぎ、路面の情報をロードバイクに伝える最重要ポジションを担っているからです。

なので、ここでTPIの意味を知っておくこは決して無駄ではないのです。
あーよかった・・・。

TPIと体重によって空気圧は変わる

さて、ここからいよいよ適正空気圧の判断方法です。と、その前に、空気圧にはbarPSIという2つの単位があります。この単位の見方についておさらいしておきましょう

一般的にはbarを使用

bar=バール
日本語では気圧と呼ばれています。8barとか7barとか。

PSI(ピーエスアイ)こちらはアメリカ表記です。Pound per Square Inch(ポンド・パー・スクエア・インチ)の略。相変わらず自転車の単位はややこしいですね。

ポンプによってはどちかの表記しかないこともあるので、当サイトでは標準単位をbarとして、できるだけPSIでの数値も表記したいと思います。

Bar←→PSI変換

2015/5/27追加

細かいことをいうと『 1kgf/cm2 = 14.2233psi = 0.980665bar = 98.0665KPa 』で換算しています。

単位の変換を覚える場合には基本的には下記の通り覚えておけばよいでしょう。
(細かい端数は四捨五入しています)

  • 1 Bar = 14.5 PSI
  • 1 PSI= 0.07 Bar

こちらの変換フォーマットおよびBarとPSI特集はコチラの記事からチェックして下さい。

タイヤに書いてある推奨空気圧は正しいか?

ほとんどのタイヤにはタイヤの側面に推奨の空気圧が記載されています。しかし、空気圧はロードバイク自体の重さやライダーの体重、TPIの数字によっても変化すべきです。なぜならば重みやタイヤのしなやかさによって、空気圧を調整しなければ、路面によって適切に変形してくれるタイヤにならないからです。

一般的な考え方として、TPIが低いタイヤのほうが剛性があるため、タイヤの空気圧を低めに設定しグリップ力を高めます。逆にTPIが高いタイヤはしなやかなので、空気圧を高めに設定し、パワーロスを防ぐようにします。

空気圧の違いと抵抗・グリップ力の違い

空気圧が高いタイヤと低いタイヤではもちろん走行時の感覚もだいぶ変わってきます。顕著な項目が転がり抵抗の少なさと振動吸収性です。これらは表裏一体な面があります。

  • 空気圧が低いタイヤのほうが振動吸収性が高い
  • 空気圧が高いタイヤのほうが転がり抵抗がない

これは空気圧が低いタイヤの方がタイヤが変形し振動を窮しやすくなり、空気圧が高いほうがタイヤが変形が少ないため路面に触れる面積が少なくなるからです。なので、空気圧は高すぎても低すぎてもダメなのです。

結局適正空気圧はどうやって測るのか?

空気圧はやはり「ライダー体重+自転車の重量」と「TPIの数値」によって決めることが望ましいです。

実はヴィットリア公式サイトにて、体重とTPIによって前と後ろの適正空気圧が分かる一覧があります。これはあくまでもヴィットリア製のタイヤに当てはめての計測なのですが、体重とTPIによる適正空気圧の判断が可能です。

例えば、オープンコルサCX3を使用しているとすると、TPIは320なので一番上の赤の枠に当てはまります。あとは体重によって前後の空気圧が変わるので、自分の体重を当てはめてみてください。私の場合、自分のは体重53Kgなので、自転車の重量と合わせると、だいたい60Kgくらいでしょう。適正空気圧は上から2番目の前7.2 bar(105PSI) 後ろ7.6 bar (110PSI)となります。

さらに!細かく適正空気圧を知りたいコダワリ派の方のために、自分の体重やタイヤのタイプによって、適正空気圧を算出してくれるアプリをヴィットリアが作っています。

各データの画面では以下の内容が条件指定可能です。

  • Casing:使用するタイヤのTPI数値を選択
  • Weight(Bike + Rider):体重とバイクの重量を足した重量を選択
  • Road Conditions:これから走る路面状況を「dry/smooth」「mixed」「wet/rough」の3つから 選択

各項目を選択し、全ての項目にチェックマークが入ると、端末画面下部の「Calculate Tire Pressure(タイヤの空気圧を計算)」ボタンが赤色に変わるので、タップします。すると前輪、後輪のそれぞれの適正空気圧が表示されます。

これはマジでめっちゃ便利です。これまでケーシングまで考慮した空気圧の計算アプリんはありませんでしたが、これで自分に最も合うであろう空気圧を算出してくれます。

スポンサーリンク

最終的には自分でテストして最適空気圧を決める

いかがでしょう?ロードバイクタイヤの空気圧の重要性と適正空気圧の決め方の参考になりましたでしょうか?^^

空気圧は細かいようですが、路面とタイヤとロードバイクを繋ぐとても重要な要素です。ここで紹介した内容を基に是非試してみて下さい。必ずしもここでの設定方法が100%みなさんの適正空気圧になるとは限りませんが、ここで算出した空気圧からスタートして、是非何度も何度も試して頂き、ご自身に合ったベストな空気圧を見つけて頂けると幸いです。

また、空気圧の調整に大きく関係してくるフロアポンプの詳細記事がありますので、併せてご確認下さい。

チューブの種類によっても空気の入れ方やメンテナンスが違ったりもします。
こちらも要チェック!

23Cと25Cタイヤの転がり抵抗の違い

2015/6/25追加記事

タイヤを選ぶ際に重要な要素である転がり抵抗の違いについて23Cと25Cではどのように違うのか、またどちらの方が転がり抵抗が少ないのか、詳細をまとめましたので、こちらの記事をご確認下さい。

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

タイトルとURLをコピーしました