前回の記事で、FTPとは何か?とFTPの代表的な計測方法を書きました。
今回はその②:パワーウェイトレシオとは何?というお話です。
体重比を出すことで相対的な出力比較が可能
パワーウェイトレシオ(PWR)とはその名の通り、出力重量比。英語表記だと「Power to Weight Raito」です。
言葉の通り、FTPで計測した出力(W)を体重で割った比率を指します。単位は「W/kg」で表わされます。
例えば、体重55kgで、FTP230Wのライダーのパワーウェイトレシオは4.18W/kgです。
式)230W ÷ 55kg = 4.18W/kg
パワーの指標としてFTP、登坂性能の指標、または相対的な性能指標としてパワーウェイトレシオが用いられることが多いです。
基本的に「FTPは高い=パワーがある=速い」という流れに間違いはないのですが、FTPは身体の大きさや体重によって左右される事が多く、同じ体重で比べなければ精確なパワー比較ができないのではなか?という所で用いられるのがパワーウェイトレシオです。
例えば分かり安い例だと、
体重50kgでFTP200の選手と、体重70kgでFTP280Wの選手のパワーウェイトレシオは同じく4W/kgです。
また、この考えでいくと、例えばFTPが同じ250Wの選手でも体重が50kgの選手と70kgの選手ではまったく性能が違うというこになります。前者の場合パワーウェイトレシオは5.0W/kgとかなり高い数値になります。5.0W/kgはプロ選手に近い数値みです。
脚質ランク:貧脚~剛脚とは?
- 剛脚:4.6~5.3W/kg
- 優脚:4.0~4.7Wkg
- 並脚:3.0~3.7W/kg
- 低脚:2.4~3.2W/kg
- 貧脚:1.9~2.5W/kg
なお、プロロード選手押し並べて5.0W/kgを上回っています。一般的にはパワーウェイトレシオ4.5W/kgを上回れば、上級者の脚という部類に入るでしょう。パワートレーニングひとまずの目標は4.5W/kgですね。
私の場合・・・体重53kgなのでFTP238W必要です。
ヒルクライムにおけるパワーウェイトレシオ
ヒルクライマーの間ではFTPよりもパワーウェイトレシオが圧倒的に重視されます。これは登りのほうがより体重に左右されるからです。
登り=軽い方が有利
この単純な方程式は多くの場合で間違いはなく、(自転車重量含め)重いライダーより軽いライダーの方が一般的には早く登ることができます。
例えば、先ほどの例と同じなのですが、
体重55kgで210Wの選手の場合、パワーウェイトレシオは3.8W/kgです。
そこに300W出せるけど体重80kgの選手が来たとします。この選手のパワーウェイトレシオは3.75W/kgです。
55kgの選手よりも1.4倍のパワーを持つ80kgの選手ですが、理論上は210Wしか出せない55kgの選手よりも登りは遅くなってしまう・・・という事になります。
パワーウェイトレシオは単純に出力を体重で割った数値なので、パワーを上げる以外にも、体重を落とすことで数値は上げることができます。
ただ、一般的には体重を落とすと比例してパワーも落ちることがあるので、なかなか難しい所ですね。うまくパワーだけを維持したいものです。
パワーはあるに越したことはない
このように、特に登りに関してはパワーウェイトレシオは相対的に出力を数値化し比較する際の大きな指標となります。
ただ、いくらパワーウェイトレシオが同じといっても、通常のレースではやはり基本的にはパワーがあった方が強いです。まんまですが。
FTPの絶対値は高いに越した事はないと思います。
パワーウェイトレシオを気にするあまり、ダイエットに走って体重を落とし、筋肉も落ちてしまったのでは元も子もありません。
たとえ体重が増えても、それが必要な筋肉なのであれば、必然的にFTPパワーは上がり、相対的なパワーウェイトレシオも向上するはずです。
私の場合は身長も低く(168cm)体重もまだまだ軽いので、もっと筋肉は付けられるはずです。身長に関してはもう爆発的に伸びることはないので、こればかりは自分を呪うか、それを克服できるだけのパワーを身につける他ありません。
パワートレーニングには・・・高強度インターバルトレーニング!!!
とのことですが、それはまた別記事にて^^
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