ヴィプロス社チェーンオイル「ケイテン」のインプレ・評価

前回インプレを行ったヴィプロス社のロードバイク向けチェーンオイル3兄弟(「ムオン」「ケイテン」「ブルーノ」)のひとつ「ムオン」。

こちらに引き続き、次は次男坊にあたる「ケイテン」のレビュー・インプレです。

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走行条件

走行時の条件は3種類とも同じ条件で走行しています。

  • タイヤ:コンチネンタルグランプリ5000
  • 空気圧:7.0bar
  • ホイール:ボーラウルトラ50
  • チューブ:ヴィットリアブチルチューブ

今回ケイテンを使用した走行距離は70kmほどです。

ムオンの特徴・スペック確認

ここで改めてヴィプロス「ケイテン」の特徴とスペックを確認してみましょう。

容量:60ml
購入価格:1728円(税込)
特徴:ムオンと同様に、塗布した直後から極めて薄い耐高荷重潤滑被膜を形成するので乗り出し(初期動作)からスムーズな潤滑性能を体感できる。低粘度なのに滑らかな潤滑性を可能としたオイル。

ムオンは特殊潤滑添加剤(FM剤)が多く入っており、高負荷においても粘り強く結合を保つような粘性が特徴的でした。それに対し、正確な成分に関しては公表されていませんが、ケイテンはどちらかというとEP剤、つまり極圧剤の割合がより多いのではないかと考えます。

極圧剤(EP剤)は金属摩擦に対する反応が早く、高負荷(高速域)になると、オイルの結合をわざと切り離して潤滑させようとする特性があります。AZオイルでいうところのBIc-007 BANKがちょうどケイテンのライバル関係にあるのではないかと。

サラサラ系オイル

まさにその通りで、実際のオイルとしての特性も同じような感じで、とてもサラサラしています。ムオンは明らかに粘性のあるオイルでしたが、ケイテンは所謂シャバシャバ系。水のようなオイルです。

1コマ1滴で十分

ケイテンにおいても基本的にチェーン1コマに対し1滴のオイルで十分です。

チェーンに垂らした瞬間からサッと広がっていきます。

ケイテンも塗布直後からの極めて薄い皮膜の形成するのが特徴で、およそ5分くらい経てばチェーンのコマ全体に浸透してくれるので、「寝かせる」必要なく走り出すことができます。

コマからはみ出たオイルはウェスで拭きとってあげます。

↓塗布直後のチェーンの様子↓

すぐに浸透しました。

静音性はムオンの方が上

これまもう走る前から分かっていた事ですが、チェーンの音鳴りに関しては圧倒的にムオンの方が静かです。

これは添加剤や成分の特性上あたりまえだと思います。

低速域と高速域ではやはい違いがある

「なめらかさ」「ヌルヌル感」といった意味では粘性の高いムオンの方がより心地よさを感じるかと思います。

ムオンはその特性上、時速35km以上の高速域ではどうしてもチェーン間の被膜によって引っ張られている感じがありました。

ケイテンはどうでしょう?

 

ケイテンの本領発揮はやはり時速35kmを超えたあたりからの高速域だと感じます。

この辺の感覚はAZのBIc-007 BANKはじめ、極圧剤を多く含んだシャバシャバ系オイルに共通していえることです。オイル感の結合を極圧剤によてって「負荷が高くなった時の抵抗を少なくするためにあえて摩耗させる」という特性に集約されます。

高速になり、ケイデンスが上がれば上がるほどチェーンの圧力は増します。この摩擦面の接触圧力が高い状態(極圧状態)になると、オイルが凝着し、オイルのフレーキング(剥離)が発生します。そうすると高負荷になればなるほど潤滑性能は落ちてしまうわけです。

それを回避するために切削油の役割を果たす極厚剤を使用します。高負荷になると凝着箇所を削り、凝着を防ぎ、結果的に抵抗を減らすことができます。

ちなみに、この極圧剤は温度が高いほど反応が早くなるので、同じ速度であっても夏と冬では極圧剤の効くタイミングが違うと感じる事もあるかもしれません。

 

ムオンが「ヌルヌル系」のペダリングになるのに対し、ケイテンは「カラカラ系」のペダリングになります。摩耗はするけど、めちゃくちゃ回る・・・みたいな。

という事で、時速35km以上のレースで使うならケイテンの方がおすすめ。

まぁ、そうなるよなぁ。。

ロングライドにはムオン?ケイテン?

ロングライドにおいては個人的には「ムオン」の方をおすすめしたいです。

そんなに高速で競うこともないロングライドにおいては、耐久性や快適さ、チェーン寿命を求めた方が良いと思うからです。

特に、チェーン寿命は大事です。「あえて摩耗させる」特性があるということは、その分チェーンの寿命が短くなる事を示します。ムオンは高負荷状態や連続使用でも長い時間オイルの被膜によってチェーンを守ってくれるため、長距離ライドにおいてはチェーンへの負荷を極力少なくすることができます。

また音鳴りも少なく「ヌルヌル系」のオイルなので、低速域でのペダリングの負担は圧倒的にケイテンよりムオンの方が少ないです。

チェーン汚れはどうか?

個人的にはムオンよりも汚れにくい印象。

「汚れにくさ」には2種類あって、まずは「チェーンへの土やホコリなどの付着」、そして「チェーンオイル自体の飛散」です。

まずは「チェーンへの土やホコリなどの付着」

↓ムオンで70km走ったチェーンの様子↓

乗る前に余分なオイルを結構拭き取ったからかもしれませんが、シャバシャバ系のオイルだけあってムオンよりもチェーンへの汚れ付着は少ないように思えます。結構綺麗。

チェーンの汚れもすぐに落ちます。

オイルの飛散具合は?

AZのBIc-007 BANKなどの粘性が低いシャバシャバ系オイルは飛散が激しくすぐにホイールのリムが飛び散ったオイルにより汚れてしまいますが、ケイテンに関してはあまり汚れることなく済みました。BORAの白いデカール部分に付着したオイルの量で飛散具合が分かります。

↓ケイテンで70km走った後の飛散具合↓

ぶっちゃけムオンとあまり変わらない。むしろ綺麗かも。デカールに全然飛散してない。

その辺はさすがムオンのメンテナンス性を可能な限り引き継いだオイルというところでしょうか。

ちなみに下の画像はAZのBIc-007 BANKで20kmしか走ってない時のオイルの飛散具合(ひどい)。

メンテナンスは楽です

ということで、ムオンのメンテナンス性は良いです。

しかし、ムオンは耐久性も高く300km~400kmくらいは持ちますが、ケイテンはやはり耐久性はムオンほどではありません。その後走っていると、150kmくらい走ったくらいから、ややオイル不足を感じるようになりました。

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やはりレース向きか

結論としてケイテンはムオンと対照的に、やはり高速域でのレースシーンなどでおすすめできるオイルということになりそうです。

先述したように、普段使いからロングライドにおいては、乗り心地、チェーン寿命、耐久性といった観点からムオンの方がベターだと感じます。

時速35km以上を維持し続ける状態であればケイテンかなぁ。

以上、ヴィプロス社のケイテンのレビューでした。

次回はムオンとケイテンの良いとこどりをしたヴィプロス社のフラッグシップオイル「Blue-no(ブルーノ)」をレビュー行ってまいります。

 

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