少し前の話題?かもしれませんが、2019年4月16日、アワーレコードの新記録が誕生しましたね!
メキシコのアグアスカリエンテスで行われたアワーレコード挑戦で、ヴィクトール・カンペナールツ選手(ベルギー、ロット・スーダル)が新記録を達成!2015年にイギリスのブラッドリー・ウィギンスが出した54.526kmを4年ぶりに上回りました。
何と、1時間で55.089kmを走り切りました!
平均時速55.089kmです。恐ろしや・・・
カンペナールツ選手といえば、2019年4月現在、現役のヨーロッパTTチャンピョンです。
なぜメキシコか?
この新記録にはカンペナールツ選手や機材もちろんですが、メキシコという場所もミソですね。
アワーレコードチャレンジが行なわれた場所はメキシコのアグアスカリエンテス・ヴェロドロームという競技場。そこは標高1887mの場所にあります。
このような標高の高い場所にある競技場のため、空気が低圧になり空気密度が小さくなります。それにより標高の低い場所を走るよりも空気抵抗が低くなるといった特性を持った競技場です。
このアグアスカリエンテス・ヴェロドロームは比較的記録が出やすい競技場としても有名ですね。
酸素濃度対策
標高1887m高さ故、空気抵抗は小さくなるものの、それと同時に酸素濃度も低くなります。
マシンは呼吸しませんが、ライダーは呼吸します。空気抵抗の低減はマシンにとっては最良の条件となりますが、酸素濃度の低下はライダーの身体能力に直結します。
そこはさすがにプロの挑戦者。カンペナールツ選手はアワーレコード挑戦前に標高3,000mを想定した低酸素室で身体を慣らし、暑さと標高に慣れるために気温35度/標高1,730mのナミビアでも個人トレーニング合宿を行なっていたそうです。
全記録がここに
カンペナールツ選手のアワーレコードチャレンジは下記の動画でその全貌を見ることができます。(1時間30分以上の長編動画です)
アワーレコード更新の瞬間は1:10:00あたりから。
なんという美しいフォーム。そして速さ。
同じトラックコースを1時間延々と回り続けるので、観客としては途中で寝てしまいそうですが(笑)
使われている機材は?
やはり気になる使用機材。
基本的に全てTT用の機材のため、一般的なロードバイクにはあまり参考にならないかもしれませんが・・・
Ridleyフレーム
Ridley(リドレー)のカンペナールツ選手専用バイク。
カンペナールツ選手の身体に合わせた完全オリジナルTTバイクです。
ホイール
カンパニョーロのTT向け最高峰ディスクホイール。
タイヤ
VittoriaのTT向けチューブラータイヤ「VITTORIA PISTA EVO CL」が採用されています。
空気圧は145psi(約10bar)。
路面状況を気にしないトラック競技だからこそできる超高圧設定。
ギア
フロントギア歯数61って凄いな・・・
ちなみに私は低身長+貧脚なのでフロントはギアは52です・・・。
ハンドル
こちらもカンペナールツオリジナルハンドル。彼の腕や手に合わせてオーダーメイドされました。
腕を置く位置を精確に把握するため、肘から手首まで金型をとったそうです。すごい・・・。
サドル
極限まで前傾姿勢をとれるように、無駄な場所をそぎ落とした究極のTTサドル。
まさに極限まで研ぎ澄まされた究極のTTバイク。
そして一番重要なのは・・・・
エンジン
カンペナールツ選手自身!!!
・・・まぁ詰まる所これですな。エンジン!!
私がこのマシンに乗っってメキシコで走ったとしても結果はたがが知れています(笑)
次のアワーレコードは・・・
ということで数年ぶりの新記録が樹立されたアワーレコードチャレンジ。
カンペナールツ選手の記録は世界中のロードバイクファンに衝撃を与えたことは間違いないでしょう。
しかし過去のチャンピョンがそうであったように、「記録」というのは破られるために存在するのです。
次のアワーレコード挑戦者は誰なのか?
そしてカンペナールツ選手の記録を打ち破る強者は登場するのか!?
来年?それとも数年後?
これからのアワーレコードからも目が離せません。
にしてもこのバイクかっこいいなぁ。。。
最新情報をお届けします