洗浄したと思ったチェーンからどれだけの汚れと異物が取れるのか

今回はパークツール サイクロンCM-5.2を使ったロードバイクのチェーン洗浄の実験です。通常の実験とは少し趣向が異なります。

今回の洗浄テーマ

「綺麗に洗浄したと思ったチェーンからどれだけの汚れと異物が取れるのか」

以前書いたこちらの「チェーンはなぜ伸びるのか?」に書いたように、ロードバイクのチェーンやギアに異物が存在するとチェーンの摩耗が加速度的に早まり、パワーロスやチェーンの寿命に大きな影響を与えます。

サイクロンCM-5.2の特集は他のサイトやブログでも多く見かけるのですが、何ヵ月も洗浄してない汚れたチェーンを洗浄して、汚れや異物が取れてチェーンが綺麗になるのは当たり前です。そりゃそうでしょう。

今回のチェーンは一般的なチェーン掃除を行った後の比較的綺麗なチェーンを使用します。サイクリングロードやいつもの道を50km程走った後、ワコーズのチェーンクリーナーを使って汚れを浮かして、ブラシで擦り、ウェスで拭き取ったものです。

所謂「いつものチェーン洗浄」が完了した状態です。既にある程度綺麗なチェーンです。
↓の写真の状態からサイクロンCM-5.2で更に洗浄していきます。果たしてこの状態からどれだけ異物が出るのでしょうか?

パークツール サイクロンCM-5.2 の特徴

このチェーンクリーナーの使い方などは他のサイトにも山ほどレビューがあるので、当サイトで詳しく書くまでもありませんが・・・
とは言いつつもロードバイクサイトなので、ちゃんと書いていきます。

因みにサイクロンCM-5.2には2タイプあります。本体単品の「サイクロンCM-5.2」と、溶剤とブラシがセットになっている「 チェーンギャング CG-2.3と」です。私が購入したのはセットになっているチェーンギャング CG-2.3の方です。
セットか単品かで商品名が違いますが、セットのほうも本体はサイクロンCM-5.2が同梱されています。

ただ、セットのチェーンギャング CG-2.3のほうがそれぞれ単品で購入するよりも35%以上お買い得なので、初めて買う方にはセットをおすすめします。

なお、商品名の末尾についている5.2や2.3の数字は各バージョンです。年数おきにバージョンアップされる模様。(2016年10月時点での最新はCM-5.2とCG-2.3)
まぁ基本的な仕様は変わらないでしょう。

セット内容はこんな感じ

  • 本体
  • 溶剤(バイオチェーンCB-4)
  • ギア洗浄用ブラシ
  • 説明書

ちなみにギア洗浄用ブラシの持ち手についているギザギザは、スプロケットの歯と歯の間の固い汚れを削り取る用に使います。意外と便利よ。

本体のブラシ構造

縦にチェーンを洗浄するブラシが上下2か所。そしてサイド用のブラシ大きなブラシが1つ。実はこのサイド用ブラシの中にも縦にブラシが内蔵されています。合計するとチェーン上部1か所、下部2か所、両サイド1か所でチェーン挟み込み洗浄していく構造です。そして出口のスポンジでチェーンに付いた溶剤やら汚れやらを最終的に払拭して仕上げていきます。

マグネットが使える

サイクロンCM-5.2の最大の特徴は本体下にマグネットが装着されている事です。これにより洗浄によって落ちた金属片がくっつき、溶剤を捨てた後でもどれだけの金属異物が取れたか明確に分かります。秀逸。

早速チェーンを洗浄してみる

本体のフタを開けてチェーンを挟み込みます。ブラシの間にチェーンを入れ込むようにするとうまくハマります。

ちなみに溶剤を入れる量は本体の「FILL」と書かれた位置まで。結構な量ですが、惜しみなく使います。約40ml程です。セットの溶剤の容量は236mlなので約6回分です。 ちょっと割高な気もします。。。

セットの溶剤は何?

セットになっている溶剤はパークツールのバイオチェーンCB-4という名前です。これは一般的なディグリーサー(脱脂剤)とは違い、サラッとしたオイルのような洗浄液です。他社のディグリーサーでも代用はできると思います。

ちなみに単品で買う場合は472mlの容量で2,000円程です。やっぱちょっと高いかな?と思いますが、洗浄力はあるので相応かもしれません。

セットしてペダルを回す

セットする位置は下の段のチェーン。リアディレイラーに近いほうがいいでしょう。前に設置しすぎるとペダルに干渉します。しっかりとセットした状態で、左手で本体を持ち、右手でペダルを回していきます。反時計回りに約30回転くらいで十分です。

あまり速くブン回してしまうと、溶剤が飛び散ってしまうので注意です。チェーンを回すスピードは洗浄効果にあまり影響ないっぽいので、ほどほどに。

「いつもの洗浄」後もごっそり汚れと異物が・・・

30回転させた状態のサイクロンCM-5.2内部です。下に溜った溶剤が既に真っ黒
チェーンをある程度洗浄した状態で使用してもここまで汚れます。

溶剤を捨てる

どのくらい異物が取れるか確認するため、汚れた溶剤を捨てます。捨てる場所に迷いましたが、トイレの水を流しながらトイレに溶剤を捨てて流しました。たぶん・・・大丈夫。

残った異物がコチラ。

本体下部の磁石に張り付いた金属片です。ゴッソリ。チェーンとギアから取れた異物です。

汚れたチェーンなら分かりますが、「いつもの洗浄」を行った後のチェーンでこれだけの異物が出るのは驚きです。
クリーナーをかけてブラシで擦ってウェスで拭くだけのチェーン洗浄ではどれだけ異物と汚れが残ったままになっていたかが分かりました。チェーン本体とスプロケット、ディレイラーに挟まった汚れと異物の量がハンパではありません。

洗浄した状態のチェーン回りでこれだけ異物が取れるのであれば、何ヵ月も洗ってないチェーンだとどれだけ負担がかかってたかを考えると恐ろしいですわ。

チェーンも綺麗に

サイクロンCM-5.2で洗浄した後のチェーンの様子はコチラ

↓ビフォーアフター↓

見た目はあまり変わってないようにも見えます。チェーンの内側の汚れは取れていますが。まぁ今回の実験はチェーンの見た目上の綺麗さだけが争点ではないので、ビフォーアフターはこんなもんでしょう。

でも「いつもの洗浄」よりは明らかに綺麗なので気持ちいい。

使用後のブラシと本体も清潔に

チェーンはクリーニングするに越したことはありませんが、定期的にこのサイクロンCM-5.2を使用するのであれば、中のブラシと本体も清潔に保っておいた方がよいでしょう。

本体に付いた異物はウェスやテッシュで拭き取ってゴミ箱へ。

ブラシと本体は溶剤と汚れでベタベタしています。私の場合は洗面所で水をためて洗剤で洗います。この辺はちょっと手間ですね。まぁ2週間に1回か月に1回くらいの頻度であれば必要な手間と考えましょう。あとはしっかり乾かしておきます。

一応こちらに交換ブラシセットも売っているみたいです。

パークツール サイクロンCM-5.2総括

使い勝手はかなりよいです。汚れもしっかり落としてくれます。ただし、サイクロンだけだとチェーンの汚れはしっかり落としてくれますが、スプロケットやディレイラーの汚れまでは行き届きません。その辺は溶剤で汚れを浮かせてブラシで擦って水で流すか、分解して洗浄するしかなさそうです。洗浄したと思ったチェーンからどれだけまだ汚れと異物が出てくるかも分かりました。 同じようなフィニッシュラインや他メーカーからも同じようなチェーンクリーナーが出ていますが、磁石の使用や洗浄する際のチェーンの回しやすさ、総合的な使い勝手はパークツール サイクロンCM-5.2(セットの場合はチェーンギャングCG-2.3 )が一番良いかと思います。

「いつもの洗浄」で汚れや異物が気になる方はチェーンの為にも一度使ってみることをおすすめします。
以上、「綺麗に洗浄したと思ったチェーンからどれだけの汚れと異物が取れるのか」でした。

 

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