前回コチラの「噂のタイヤ、ピレリP ZERO VELO購入したよインプレその①」に引き続き、いよいよピレリP ZERO VELO(Pゼロ ヴェロ)インプレその②実走編です。
P ZERO VELO(Pゼロ ヴェロ) 25Cをボーラウルトラ50Cに履かせて300kmほど走ってきた結果をレポートします。はたしてP ZERO VELO(Pゼロ ヴェロ)はおすすめできるタイヤなのでしょうか。
とても乗り心地が良い
まず、P ZERO VELO(Pゼロ ヴェロ)に乗って初めに感じた事は「とても乗り心地がいい」ということです。ここでいう「乗り心地」とは、主にタイヤの振動吸収性に起因すると思われます。
そう、P ZERO VELO(Pゼロ ヴェロ)はかなり振動吸収性がよいマイルドな走り心地です。
この時のタイヤの空気圧は7bar (約101PSI)にしています。
P ZERO VELOの推奨空気圧は幅が狭く、6bar~7.7barの間となっています。ちょうど中間くらいの空気圧で臨みました。路面からの突き上げや、凸凹感をかなり吸収してくれます。
マイルドという意味では以前まで乗っていたミシュランPOWERコンペティションやコンチネンタルアタック&フォースとは全く違う乗り心地。ミシュランやコンチネンタルはかっちり固いタイヤですが、P ZERO VELOは全く違う方向性。
他サイトのインプレでは「固いタイヤ」との評価もあったのですが、私は全く固いとは思いませんでした。むしろ柔らかい。
まぁ、この辺の感覚は主観によるところが大きいので、表現も人それぞれになってしまいますが・・・あくまでもミシュランPOWERコンペティションやコンチネンタルグランプリ4000S2と比べるとかなり柔らかい印象。
マイルドだけど、これまで私の中で「乗り心地がいい」という評価だったヴィットリアコルサやスペシャライズドターボコットンともまた違う感じ。
どちらかというとゴム感が強いです。厚みがある感じです。
タイヤを触った感じではかなり薄い作りだったので、実際乗ってみると全然感覚が違ったので驚きました。
レース向けのタイヤとされているけど、たぶんロングライドでも疲れないタイヤだと思います。ゴム感が強いので、空気圧を最大まで上げてしまうと、ちょっと突き上げ感が強くなってしまうかもしれません。
転がり抵抗の評価は?
転がり抵抗の低さに関してもかなり高評価。
特に時速30kmを越えたあたりからのスピードの乗りが非常によいです。これがSmartNET Silicaコンパウンドの強さか・・・。
いや、冗談抜きでかなり転がりが良いです。これまで使っていたコンチネンタルアタック&フォースより全然上。
ミシュランPOWERコンペティションやコンチネンタルグランプリ4000S2みたいに乾いたコロコロ感とは異なります。しっかり路面を捉えて、しっかりパワーを伝えてくれている感じ。
平坦ストレートでの転がり性能で言えば、ミシュランPOWERコンペティションに軍配が上がると思います。
路面をしっかり捉えるタイヤなので、脚力、トルクのある人ほどこのP ZERO VELOの性能を活かすことができるでしょう。
最近私が使ったタイヤで、あくまでも平坦ストレートでの転がり性能をランク付けするとしたらこんな感じかなぁ。
1位:ミシュランPOWERコンペティション
2位:ピレリP ZERO VELO
3位:スペシャライズドターボコットン
4位:ヴィットリアコルサ
同4位:コンチネンタルアタック&フォース
うむ、2位に食い込むにふさわしい実力だと思います。あくまでも平坦ストレートの場合ね。
上り坂はちょっと弱いかもしれません。ヒルクライムに向いているタイヤではないと思います。弱いというか、路面をしっかり捉える分少し重く感じるかもしれません。
50年ぶりにロードバイクタイヤを販売したメーカーとは思えない実力です。さすがF1界では王者のピレリなだけあります。
ちなみにP ZERO VELOには一応タイヤの進行方向があります。タイヤ側面に矢印が描かれているので確認しましょう。トレッドパターンの尖っている方が進行方向です。ご注意を。(私は最初嵌める時間違えました)
P ZERO VELOのグリップは?
ミシュランPOWERコンペティションよりは遥かにグリップが効く(笑)
カーブでの安定性もあるし、先述したように路面をしっかり捉えるタイヤなので、特にコーナー侵入を恐れる必要はありません。
CONTOUR SHAPING(コンツアーシェイピング)の効果
乾いた路面でのグリップ力は十分あります。というかよくグリップするほう。
グリップという表現が正しいのか、安定感という表現が正しいのか、迷う所ですが、コーナーリングの安定感はこれまで個人的グリップ力No1タイヤだったヴィットリアコルサにも全く引けをとりません。
むしろスピードを落とさずにコーナーを曲がる性能ではP ZERO VELOの方が上なのでは?
P ZERO VELOの最大の特徴であるCONTOUR SHAPING(コンツアーシェイピング)が効いているのかもしれません。いやプラシーボではなく、本当に安定して曲がれます。
CONTOUR SHAPING(コンツアーシェイピング)とは、クリンチャータイヤでも、よりチューブラーのような真円に近いタイヤ形状にしたことにより、コーナーリングの際のタイヤ変形を常に一定に保ち、コーナー時のグリップ性能をより高めることができたピレリの独自技術です。
これに関しては本当に試してみる価値がありです。
ウェット面でのグリップは・・・まぁ普通ではないでしょうか。ウェット急カーブを思いっきり曲がると・・・滑る。まぁそりゃそうか。
ウェット特化のP ZERO VELO 4Sであればもっとハイグリップだと思います。
P ZERO VELO(Pゼロ ヴェロ)のおすすめ度は?
P ZERO VELOの紹介記事で「性能やラインナップから見るに、ライバルとなりそうなのはコンチネンタルグランプリ4000S2やミシュラン パワーシリーズでしょう。」という事を書きましたが、総合力で言うとP ZERO VELO(Pゼロヴェロ)の方が評価が高いかもしれません。むしろタイヤの特性から考えると、ミシュランPOWERとはまた別のフィールド。どちらかと言うとヴィットリアコルサやスペシャライズドターボコットンあたりがライバルです。
最近使っていた試したタイヤでそれぞれの性能でランク付けするとしたらこんな感じ。
転がり抵抗の低さ
1位:ミシュラン Power コンペティション
2位:ピレリ P ZERO VELO
3位:スペシャライズドターボコットン
4位:ヴィットリアコルサ
同4位:コンチネンタルアタック&フォース
グリップ力
1位:ヴィットリアコルサ
2位:ピレリ P ZERO VELO
同2位:スペシャライズドターボコットン
4位:コンチネンタルアタック&フォース
5位:ミシュラン Power コンペティション
振動吸収性(乗り心地)
1位:ピレリ P ZERO VELO
2位:ヴィットリアコルサ
同2位:スペシャライズドターボコットン
4位:コンチネンタルアタック&フォース
5位:ミシュラン Power コンペティション
ん・・・
何かP ZERO VELOめっちゃ評価高くない???
そう、結果的に総合力でP ZERO VELOは私の中ではかなり評価の高いタイヤとなりました。総合評価ではミシュランPOWERコンペティションよりも上です。
転がり性能も申し分なく、グリップや乗り心地も2位と1位。
ベタ褒めに近い評価となってしまいましたが、P ZERO VELOは個人的にはかなりお気に入りのおすすめタイヤとなりました。
さすがはモータースポーツ界の重鎮が満を持して出したフラッグシップタイヤなだけはあります。
もたもたしてるとミシュランもヴィットリアもコンチネンタルもスペシャライズドも次回のアップデートで突き放されてしまいそうな勢いです。パナレーサーは正直既に追い抜かれてしまっている感が否めません・・・・。
P ZERO VELO(P ゼロヴェロ)がおすすめなシーンは?
このスタンダードモデルのP ZERO VELOは汎用性が高いです。
路面がウェットでなければ、カーブが多めのクリテリウや舗装道路でのレースでは十分にポテンシャルを発揮できると思います。コーナーに対する性能の高さ、タイヤの変形の少なさは特記すべきものがあります。
唯一向いていないと感じたのは先述したようにヒルクライムかなぁ。路面をしっかり捉えすぎる特性が裏目に出そうな感じです。
また、振動吸収性が高いため、レースに限らずロングライドやブルべでも活躍できると感じたのは意外でした。タイヤが固すぎて疲れてしまう方は試してみる価値はありそうです。 エンデューロでもその真価は発揮できると思います。
あとまだ十分にテストできてなのは対パンク性能です。これがクリアできれば言う事なし。
ピレリP ZERO VELOはどこで手に入る?
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