前回コチラの記事でサイクリングエクスプレスより頂いたシュワルベワン(23C)のファーストインプレを行いました。それから実際にシュワルベワンで800kmほど走行してみたので、その後のインプレを書きます。
おすすめタイヤランキング5位にも書いていますが、まずはシュワルベ・ワンの基本性能をおさらいしてみましょう。
仕様 | サイズ:700×23 C 重量:約205g サイズ:700×25 C 重量:約225g |
TPI | 127TPI |
適正空気圧 | 7~9 bar (100~130 PSI) |
価格(1本あたり) | ¥6,500円(税込)くらい |
と、こんな感じ。
仕様上はシュワルベアルトレモより転がり抵抗が少なく、シュワルベ史上最高の出来栄えとなっているようです。
比較対象は最近私が装着してきたタイヤとの比較です。
- ミシュランPro4サービスクルス(23C)
- コンチネンタルグランプリ4000SⅡ(23C)
項目別に性能感覚を評価してみる
転がり抵抗の低さ
コンチネンタルグランプリ4000SⅡ
>ミシュランPro4サービスクルス
>シュワルベワン
この性能が最も予想外でした。他のインプレ記事を観る限り転がり性能と巡航速度の伸びにおけるシュワルベワンの評価はかなり高いものでした。
しかし、実際走ってみると、その優位性を感じることはできませんでした。確かに良いタイヤではありますが、時速35km~40kmにおけるスピードの伸び(同一パワーで40kmに到達する時間と維持のしやすや)はコンチネンタルグランプリ4000SⅡとミシュランPro4サービスクルスどちらにも勝ることはありませんでした。
グリップ
ミシュランPro4サービスクルス
>シュワルベワン
>コンチネンタルグランプリ4000SⅡ
ミシュラン程のモチモチ感はありませんが、コーナー時のグリップ性能は高いと思われます。特にサイド面。車体を大幅に傾けても踏ん張ってくれます。
振動吸収性
ミシュランPro4サービスクルス
>シュワルベワン
>コンチネンタルグランプリ4000SⅡ
コンチネンタルはさすがの硬さ。同一空気圧での振動吸収性はこのような順位となります。
耐パンク性
コンチネンタルグランプリ4000SⅡ
>シュワルベワン
>ミシュランPro4サービスクルス
走行中のパンクやタイヤの摩耗によるひび割れは発生していません。砂利道も走りましたがサイドカットによる亀裂や傷にも比較的強いように思えます。
漕ぎ出しの軽さ
シュワルベワン
>コンチネンタルグランプリ4000SⅡ
>ミシュランPro4サービスクルス
この漕ぎ出しの軽さにおいてはシュワルベワンに圧倒的軍配が上がります。ストップ&ゴー耐性は高め。ミシュランPro4よりも程よい硬さと、コンチネンタルグランプリよりも効いているグリップ力の影響によるものかもしれません。ただ、ロードのレースだとあまりストップ&ゴーが活躍する場面が少ないのが悲しい所。。。
800Km走ったシュワルベワンのタイヤ表面
こんな感じです。
タイヤ真ん中の「バリ」が少し削れてきました。でもまだまだ丈夫そう。砂利道を何度か走っているのですが、サイドカットなどもありません。小さな石がめり込んでる様子もなし。
適正な空気圧は・・・
公式によると注入可能な空気圧は85PSI~145PSIと幅広い。
これは走る路面状況とライダーの体重に大きく左右されます。私は3パターン試してみました。因みに私の体重は53Kgです。
フロント90PSI・リア100PSI
→計算上のほぼ最適空気圧。しかしグリップは効くが、弾力がありすぎる。またタイヤが変形しやすいため、転がり抵抗が大きくなり、平地での高速巡航には向かない。
フロント110PSI・リア120PSI
→ちょうどよい。
フロント125PSI・リア140PSI
→さすがにかなりの高圧すぎる。体重90kg以上でクリテリウムなど、完全な舗装道路でカーブも少ない道であればこのくらいの高圧でもよいかもしれない。私の体重だと完全に「タイヤが浮いている」感じがする。
結果として真ん中のフロント110PSI・リア120PSIが私にとってシュワルベワンの最適な空気圧となりました。
一般的に私の体重ではフロント110PSI・リア120PSIという空気圧は少し高圧かもしれません。しかしシュワルベワンは元よりかなり柔らかいタイヤ(127TPI×3層)であるため、少し高圧ぎみでちょうどよくなったと予想されます。あとはレースシーンによって微調整です。(グリップが必要な場合はもう少し空気圧下げる)
総合評価
ミシュランPro4サービスクルス
>コンチネンタルグランプリ4000SⅡ
>シュワルベワン
これはあくまでも主観的な評価ですが、私の中でシュワルベワンはミシュランPro4サービスクルスとコンチネンタルグランプリ4000SⅡを超える存在にはなりませんでした。
もちろんシュワルベワン自体はかなり高性能なタイヤです。ただ、良くも悪くもオールラウンダー。
タイヤ性能を決定づける転がり抵抗の低さ・巡航速度の伸び・グリップ力という3点においては800km走った時点では突出した性能を見出すことはできませんでした。
特に転がり抵抗の低さと巡航速度の伸びに関しては、他のインプレ記事に見るような大きな優位性は感じられず、「あれ?」といった具合。
クリテリウムやエンデューロといったレースにおいてこれらの観点からするとやはりコンチネンタルやミシュランに軍配が上がる結果となりました。
今回試したのはシュワルベワンのクリンチャータイヤですが、シュワルベワンにはチューブレスモデルも存在します。公式データではクリンチャーよりチューブレスモデルの方が更に転がり抵抗が低くなる結果となっているため、チューブレスでどこまで巡航速度が上がるかもいつか試してみたいものです。
ただ基本的な性能は高いため、街乗りや普段の練習で使用する分には大いに性能を発揮してくれるかと思います。
国内で購入すると定価7,000円以上なのでかなり割高です。海外通販だと4,000円代で手に入る場合があるので、割安で購入できるのであれば試してみる価値はあるかと思います。
最後に、シュワルベワンの詳細インプレの機会を頂いたサイクリング・エクスプレスに感謝したいです。
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