ロードバイクにおける究極のインナーといえばやはり「OUTWET(アウトウェット)」でしょう。
こちらの記事でも以前書いたことがありますが、究極のインナーの素材には何が使用されているのでしょうか?
出典:http://www.758sessions.com/brand/outwet
ポリプロピレンとエラスタンから成る「ドライヤン」
変態ウェアともいえる見た目はさておき、OUTWET(アウトウェット)の特徴といえば、その撥水性です。汗をかいても繊維が汗を吸収せずに外へ逃がします。それにより夏や冬でも体が冷えすぎたりベタベタすることなく快適な着心地を実現しています。
それを実現しているのが独自の「Dryarn(ドライヤン)」と呼ばれる剛性繊維です。このドライヤンを構成する繊維は「ポリプロピレン90%」「エラスタン10%」です。
ポリプロピレンとは?
ではポリプロピレンとは数ある繊維の中で最も軽く、最も水を吸わない化学繊維です。ポリプロピレンの比重は0.91で、水より軽いため水にも浮きます。
更に注目すべきはどれだけ水を吸わないか。専門用語で公定水分率と言います。公定水分率とは、大気中の水分など、その素材が通常時で自然に含んでいる水の量をあらわすもので、素材そのものの重量に対する率で表されます。
ポリプロピレンの公定水分率はなんと0.0%。全く水を吸いません。こりゃ速乾性あるわけだわ。
ちなみに代表的な繊維の公定水分率は次の通りです。
公定水分率
綿:8.5%
毛:15%
絹:12%
ナイロン:4.5%
ポリエステル:0.4%
ポリプロピレン:0.0%
繊維状態以外でよく見るのは↓のような半透明のポリプロプレンケースですね。
出典:https://www.muji.net/store/cmdty/section/S2000411
エラスタンとは?
もう一つの構成素材に「エラスタン」とある。エラスタンとはポリウレタンの事です。エラスタン(ポリウレタン)の比重は1.0~1.3。公定水分率は1%となっています。
エラスタンはとても伸縮性に優れているため、アウトウェットの伸縮機能に一役買っています。
ポリプロピレンとポリエステルはどう違うか?
同じくスポーツウェアに多く使用される素材として「ポリエステル」があります。ポリプロピレンもポリエステルも、どちらも石油由来の化学繊維ですが、全く別物です。
化学的な解説は諸々ありますが、大まかに言うと、ポリプロピレンの方が撥水性と保温性にやや優れている、といったところです。保温能力というと冬用のインナーウェアのように聞こえますが、ここでいう保温能力はあくまで体温を一定に保ち続けるというもので、決して暑く感じることはありません。
ちなみにポリエステルはペットボトルなどに多く使用されています。
ポリプロピレンの注意点
ポリプロピレンの注意点として、熱に弱いことが挙げられます。140℃で素材が軟化しはじめ、165℃で溶け始めます。普段着用している時はそんな温度になることはありませんが、乾燥機とアイロンがけは厳禁なので注意しましょう。
また、この繊維に使われている酸化防止剤が特定の条件で損傷すると発熱する現象が報告されています。漂白剤やドライクリーニング溶剤などで損傷することが知られているため、洗濯する際には、こうした溶剤を使わず、温度も40℃以下にする必要があります。ちょっと扱いがデリケートな繊維です。
ポリプロピレンを使ったインナーは?
OUTWET(アウトウェット)の他にも、同じくポリプロピレンを使用したロードバイク向けのインナーがあります。
カペルミュールが出している「Lion(リオン)」というアンダーウェアです。
出典:https://www.wave-one.com/shop/item/liuw001/
こちらはポリプロピレン66%、ナイロン28%、ポリウレタン6%という素材比率です。ナイロンが28%含まれているため、撥水性においてはアウトウェットよりは結構劣ります。
(ナイロンの工程水分率は4.5%)
外見は似ていますが、素材に注目するとやはり違いが見えてきます。
が、価格はLionの方がアウトウェットより半額近く安いので、費用対効果を考えると難しいところです・・・。
Lionウェアの詳細はコチラ
やはりコストと相談か・・
ロードバイクのインナーにおて、アウトウェットは間違いなく究極インナーの部類に入ります。
ただしやはり価格も究極的。インナーとしては何枚もホイホイ変える値段ではありません。この辺は皆様方のお財布事情にもよるでしょう。まぁこの価格に見合うだけの機能性は十二分に持ち合わせている商品なので、1枚くらいは持っていてもよいかな~くらいのおすすめ一品です。
特に夏場にはノースリーブタイプのLP1シリーズがおすすめです。
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