随分と時間が経ってしまいましたが、以前特集を行った「アイアンマンに学ぶ」シリーズ後編。今回は4人のアインマン完走者の機材を中心に見ていきます。
なお前編はコチラ
→【前編】4人のアイアンマン完走者に学ぶアスリートの神髄
左から高柳さん(GIANT) / 中村さん(TREK) / 齊藤さん(スペシャライズド) / 濵田さん(SCOTT)。
彼らが出場したのは2014年に開催されたアイアンマンジャパン北海道2014。
※アイアンマンって何ぞ?という方は前編の記事をご覧ください。
高級トライアスロンバイク?いやいや・・・
トライアスロンで使用されるバイクと言えば、サーヴェロやLOOKなどに代表される高級機材満載のエアロバイクがパッと頭に浮かびます。
実際、アイアンマンレースに出ている方々はそれなりのエアロロードやTTバイクに乗っている方々が多いようです。
何せ180kmですからね。。。
しかし、まず最初に言っておきましょう。今回インタビューを行った4人のバイクは・・・
・・・至って普通のロードバイクです。
今回見せて頂いたロードバイクは2014年参加当時のバイクからほとんど仕様変更していないそうです。(バーテープとかは変更あり)
では彼らのロードバイクを見ていきましょう。
高柳さん(GIANT)の場合
高柳さんのバイクはGIANT。黒と白、赤のラインを基調としたデザイン。
コンポはSRAMのAPEXを中心としたセットです。
クリートはTIME製。
ホイールはAclass ALX440SL。
タイヤはミシュランPro4エンデュランス。
DHバーはProfile DesignのT3+。
これが55km時点でシフターが壊れて変速できないまま125km走ったという伝説のバイクである。(詳しくは前編参照)
中村さん(TREK)の場合
中村さんのバイクはTREK。
ホイールはTREK定番のボントレガー。
タイヤはミシュランPro4サービスクルスです。
コンポは・・・写真撮り忘れた><
DHバーはProfile DesignのT-MAG。
斎藤さん(スペシャライズド)の場合
斎藤さんのバイクはスペシャライズドVENGE。おそらく2012年モデル。
コンポは完成車付属のFSA SL-K Lightとアルテグラ仕様。
ホイールは付属のROVAL RAPIDE SL 35。
タイヤはシュワルベワン。
DHバーは高柳さんと同じくProfile DesignのT3+です。
バーテープは最近変えたらしいド派手なゴールド!
濵田さん(SCOTT)の場合
濱田さんのバイクはSCCOTT。赤と黒の2トーンが美しい。
濱田さんはトライアスロンのチームに所属していただけあり、バイクの仕様もレベル高いです。
コンポはアルテグラで統一。
ホイールはデュラエース9000 C50です。
タイヤはミシュランPro4サービスクルス。
ミシュラン率高いな・・・。
最重要パーツは・・・
これらを見て頂いて分かるように、アイアンマンを走り切った彼らのロードバイクは、バリバリのトライアスロンバイクでもなく、高価なパーツが各所に使われているわけでもなく・・・「普通」のロードバイクです。
特に完成車付属パーツが結構使われている点には驚きを隠せません。
当時、ショップの店員さんから「ん?これで出るの??」とい言われたことがあるそうです。
その時は「はい、これで出ます」というのが恥ずかしくて言えず、見栄を張って「いや、これは練習用なんで・・・」と思わず言ってしまったそう。 でも実際に走ったのはこのバイク。
前編にも書きましたが、最も印象に残った言葉を再度書き留めておきます。
「いやぁ、俺らはエンジンで勝負するんで!」
やはり彼らの最大の武器は「エンジン」です。彼ら自身。
当サイトもロードバイクのパーツ関連サイトとしてこんなことを書いてしまうのもなんですが、どんな高価なロードバイクも、どんな良いパーツも、どんな綿密な計算よりも、日ごろのトレーニングと精神鍛錬の方が圧倒的に投資効果が高いのです。
もちろん良いパーツはサイクリストの性能を後押ししてくれます。お金を出せば出すほど。
でもそれには上限があります。その限界値を引き延ばすには自分の力を伸ばすしかありません。筋力であり、心肺機能であり、経験です。
止まるも進むもエンジン次第。
機材性能を決めるのは「投資金額」ですが、エンジン性能を決めるのは「投資時間(継続時間)」、つまりこれまでの経験値の積み重ねでしか成しえることはできません。
1000円のエンジンでレースに臨むのか、100万円のエンジンに磨き上げるのか、それは結局自分自身の継続力におよそ比例するのです。
そんなアスリートとしての根源を彼ら4人のアイアンマンに教えられました。
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