FTPとパワーメーターとトレーニング(その①FTPとは何か?)

当サイトでこれまであまり触れていなかったパワーメーターとFTP関連について書いていこうと思います。

ロードバイクのトレーニング関連の事を調べたり実践しようと思うと必ず出てくる言葉、それが「FTP」です。

FTPについてやLT、パワーウェイトレシオなど、色んな用語が飛び交うロードバイクトレーニング事情ですが、複数回の記事に分けて掲載していきます。

まずはFTPとは何ぞ?という話から始めようと思います。(どちらかというと初心者向けかもしれません)

2017/10/15記事追加

パワーウェイトレシオに関する記事を追加しました。

パワーウェイトレシオとは?

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FTPとは1時間維持可能な出力

まずFTPとは「Functional Threshold Power」の略です。日本語に訳すと「実効出力閾値」なんて小難しい言葉に訳されます。意味としては「そのライダーが1時間維持できる限界出力」といった意味です。単位はW(ワット)で表します。

もっと砕けた表現をすると「意識がなくなる寸前くらいまで1時間ペダルを回し続けた時の平均パワー」がFTPです。

「1時間」と「維持」「平均」といった所が重要ワードで、途中で限界が来てもダメ、1時間以上回し続けられるパワーでもダメ、「ちょうど1時間で限界が来るパワー配分」というのが重要なのです。死んじゃうのはヤダけど、じゃどうやって測るの?というのは後述します。

よく「俺のFTP250Wだったわ」
「え、マジ?俺220Wくらいしかないわ・・・」
「しばらくトレーニングさぼってたらめっちゃFTP落ちてた。」
なんて会話(?)を耳にします。

体重比やらレースシーンにもよるので一概には言えない部分がありますが、基本的にはFTPの値が高ければ高い程「速い」ライダーである傾向と直結しています。なのでパワートレーニングなどではこの「FTP」の値を上げる事が主な目的となります。

FTPやパワーうウェイトレシオを知らない人がその数値を見ても、何のこっちゃ意味が分かりませんが、知っている人が見るとその人の大体の数値的な戦闘力も分かったりします。

???「私のFTPは530,000Wです。」
私「!!???」

FTPは何で測る?

パワートレーニングでFTPを上げるために、まずは現在の自分のパワーを測定する必要が必要があります。現状のパワーが分からないとトレーニングしようがないですからね。

パワーの計測には一般的にはパワーメータを使います。パイオニアのペダリングモニターなどが有名ですね。

クランクに測定器を装着して、クランクの歪みによってパワーを測定するヤツです。パワーメーターが出た当初は、めちゃくちゃ高価だったこともあり、一部のプロにしか使われていませんでしたが、今やホビーライダーの間でも一般的な装備となり普及してきました。(それでも高価ですが・・・)

このパワーメーターを使えば、自分のパワー(W)を計測して記録することができます。このパワーの値を使って自分のFTPを算出していきます。

ただ、パイオニアのペダリングモニターはじめ、最近のパワーメーターはトレーニングアシスト機能などでFTPの計測アシストをしてくれる機能が豊富に揃っているので、それに従ってもよいでしょう。

FTPはパワー配分を考える目安になる

FTPを計測する最大の目的は、「コースや状況に合わせて自分のパワーを配分し、脚を無駄なく使い終える」にあると考えています。

自分のFTPを超えた値で走り続けると、「脚が切れる」状態となります。例えばFTP220Wの人が、集団に追いつくため260Wくらいで走ります。その状態を継続するとどうでしょう・・・回復もできず追いつくこともできない、という経験は誰しもあるはずです。

自分のパワーを把握して、効率よくペースを配分する。FTPが高ければ基本的に分配できるパワーも多くなるので、より「速い」選手となるのです。

まぁ、実際は状況に応じてスプリントがあったり、FTPの倍以上の出力を出さないといけない時があったり、知らずに出していたり・・・となかなか上手くはいかないものですが。

少なくとも「あ、このペースは後半ヤバいかも」とか「まだゴールまで余裕で脚が残るな・・・」という感覚の一つの指標となるわけです。

FTPの計測方法「コーガン方式」

FTPの計測方法に「コーガン方式」「RST方式」「CP方式」といった3種類の方法が世の中にはあります。

ここでは、恐らく最も一般的で最も多く取り入れられているであろう「コーガン方式」による測定方法を掲載しておきます。

ちなみにコーガンとはサイクリストのバイブル本(?)「パワー・トレーニング・バイブル」のハンター・アレン アンドリュー・コーガン博士の事を指します。この手法を考案した偉い人。

コーガン方式の中でも2種類に分かれます。

コーガン方式1:実際に1時間死ぬ気で走る

最も単純な方法。アワーレコードです。

実際に1時間死ぬ気でペダルを回した結果の平均パワーがそのままFTPとなります。しかし、これ、考え方は単純ですが、実際には難しいです。というか無理じゃね?

  • 途中でバテてもダメ
  • 1時間以上漕げるパワーが残っててもダメ

なので、そもそも日頃かわパワートレーニングを積んでないと計測が難しいです。あと多分死ぬほどキツい。まだ死にたくない。

コーガン方式2:20分走った結果から算出する

恐らくこれが一番現実的で、最も多く取り入れられている方法です。

1時間走り続けるのは死ぬし、そもそも自分の1時間の限界が分からい、という人はコレ。

まず次のメニューを行います。

  • 1. ウォームアップ(10分~15分)
  • 2. 全力走(5分)
  • 3. レスト走(10分~15分)
  • 4. 全力走(20分)
  • 5. クールダウン(10~15分)

ここで大事なのは「4. 全力走(20分)」!!

この20分の全力走の平均パワーに0.95をかけた値が自分のFTPとなります。

  • FTP = 全力走(20分)の平均パワー × 0.95

例えば、20分全力のパワー平均値が230Wの人は、その95%である218.5WがFTPという事になります。

ちなみに、20分全力走の前に5分の全力走を行う目的は、「一度無酸素運動を行い、先に心肺と無酸素エネルギーを程よく疲労させて、20分全力走で高すぎる数字が出ないようにするため」だそうです。

なお、この20分FTPメニューは、パイオニアのペダリングモニターやGARMINのEdgeシリーズならトレーニングアシスト機能に登録されていて、サイコンの指示通りに走るだけで計測が可能です。

あとは「RST方式」「CP方式」などがありますが、ちょっとややこしいので別の機会に紹介します。

実走で計測?ローラー台で計測?

データは生き物なので、その時々でパワーは微妙に違いし、毎回同じFTPが出るわけはありません。何回(1ヵ月に1回とか)もデータを蓄積してデータの精度を高める必要があります。

そこで迷うのが、実際の道路を走るか?ローラー台で計測するのか?ということです。

これ、コーガン方式のデメリットでもあるのですが、計測環境を一定に保たないと精確なデータが取れません。

実走だと、その時の路面状況や風、道路事情など様々な不確定要素が発生します。ホントはね、トラック場で実走して計測できればいいんでしょうけど、一般ライダーはなかなかそんな機会ないですね。。。

ということで、特に最初の計測には室内で固定ローラー台を使っての計測がいいと思います。

というかそっちの方がいいんじゃないかな。

FTP計測会や実業団での計測も基本的には室内固定ローラーだし。

次はパワーウェイトレシオ

さて、自分のFTP計測方法が分かった所で、次の記事では体重とパワー関係に迫りましょう。いわゆるパワーウェイトレシオというやつです。

ロードバイクとパワーと体重は密接な関係がありますからね。FTPだけでは強さは語れません。

と、長くなってしまったので、パワーウェイトレシオについては次の記事でまとめたいと思います。お楽しみに~。

2017/10/15記事追加

パワーウェイトレシオに関する記事を追加しました。

パワーウェイトレシオとは?

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パワーメーターはどこで手に入る?

FPTを計測するにあたり必須となってきたパワーメーターですが、種類は色々あります。何だかんだ行っても最も信頼性が高いのはパイオニアのペダリングモニター

パワーを計測できるのはもちろん、ペダルリングの力がかかっている方向性が分かるベクトルセンサーはパイオニアペダリングモニター最大の武器です。

↓こちらの動画を参照


パワーメーター何買おう?と迷っている方はとりあえずパイオニアで。

取り付けるクランクによってセンサーの型が違ったりするので、事前にチェックしましょう。

私のクランクはデュラエースFC-R9100なので対応センサーは「SGY-PM910V」です。

SGY-PM910Vの対応クランクはSHIMANO「FC-R9100 」「 FC-9000 」「 FC-6800 」、Campagnolo「 POTENZA 11 」となっています。
※サイコン(SGX-CA500)は別売りです。

しかし・・・相変わらず高いな。。。

 

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