ボーラワンとボーラウルトラの違いとベアリング・リムハイト

ロードバイクのホイールをカスタマイズしたいロード乗りであれば必ず目を通すことになるおすすめディープリムホイール、それはカンパニョーロ「ボーラワン(Bora One)」または「ボーラウルトラ(Bora Ultra)」でしょう。
今更感はありますが、私も含めて、結局何が違うねん?という方が多いようなので、ボーラワンとボーラウルトラの違い(主にベアリング)、それぞれのリムハイト35mmと50mmの基本スペックを比較してみましょう。

出典:http://www.campagnolo.com

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ボーラワンとボーラウルトラの違い:USBとCULTベアリング

ボーラワンよりもワングレード上であるボーラルトラ。ボーラワンとボーラウルトラの最大の違いはベアリングです。というかこれに尽きます。

あとはハブがアルミ製かカーボン製かの違いがあります。

 

ベアリング
ボーラワンはUSB
ボーラウルトラはCULTベアリング

ハブ
ボーラワンはアルミ製ハブ
ボーラウルトラはカーボン製ハブ

 

今更CULT特集かよ感がありますが、それぞれの特性をおさらいしてみましょう。

ボーラワンのベアリング「USB」

出典:http://www.campagnolo.com

カンパニョーロのミドルグレード以上に採用されているベアリングであるUSB。「Ultra Smooth Bearings」の略称です。その名の通りウルトラスムースです。ボール部分はセラミックで構成されており、かなりの剛性と真円性をもっています。ただし、ボールの受軸となるレース部分は通常の金属製レースです。そのため、ベアリングとレースの間には必ずグリスが必要になります。ベアリングのセラミックのほうがレースの金属より硬いため、グリス無しではレース部分がベアリングによって削れてしまうからです。

USBの性能自体は高性能で、カンパニョーロの公式サイトのテックラボによると通常とベアリングとUSBでは50%ほどUSBのほうがスムーズな回転を実現できるとのことです。

ボーラウルトラのベアリング「CULT」とは

カンパニョーロのハイエンドホイールに使用されているCULTベアリング。「Ceramic Ultimate Level Technology」の略です。こちらもUSBと同じくベアリングはセラミックで出来ています。
最大の違いは受軸となるレース部分。USBはレース部分が金属だったのに対し、CULTのレース部分は「Cronitect chromium stainless steel」という表面を熱化学処理し強化し、格段に高い硬度と腐食に対する耐性を極限に高めたステンレス・スチールの高硬度レースが使用されています。Cronitect chromium stainless steel はドイツ産まれの精密機器会社であるSchaeffler(シェフラー)社の特許技術です。(英語原文ですが技術詳細に興味がある方はコチラの資料を参照)

出典:http://www.campagnolo.com

レース部分の硬度が非常に高いためベアリングによってレースが削れることがありません。そのためグリスが必要ないのが特徴です。グリスが塗られていないということは、その分抵抗が少なくなり、回転もスムースになるということです(理論上)。またグリスメンテナンスが不要な所もホイールとベアリングの寿命が延びる点で嬉しいですね。
こちらもカンパ公式テックラボによるとノーマルベアリングよりCULTベアリングのほうが約9倍滑らかな回転を実現できるというう発表になっています。

USBとCULTベアリングの効果論争

このベアリングの仕様の違いがボーラワンとボーラウルトラの性能と価格差に繋がっています。しかしながら実際USBとCULTで巡航速度が変わるのか!?と言われると、これは賛否両論あります。2016年になりCULTユーザーも徐々に増えつつあり、将来的にはカンパのミドルグレード以上は全てCULTになるのではないかと予想しています。そして現在CULTが使用されているホイールには更なる新技術で価格差別化。まぁホイール商法はそんなもんでしょう(笑)

基本的にCULTに変えても最高速度や巡航速度は変わった実感はありません。ただ追い風時や低速域での惰性走行速度、同距離が若干伸びる程度のメリットがあでしょう。
科学的サイクリストの聖書「ロードバイクの科学」(ふじいのりあき氏著)にも書いているように、30km/h走行時の自転車走行の抵抗は空気抵抗が約8割を占めます。ベアリングの摩擦抵抗は空気抵抗のように速度に累乗比例するわけでもない上、抵抗値そのものは大変小さく、タイヤの転がり抵抗のさらに3桁分の1以下くらいに過ぎません。つまりベアリングによる抵抗自体はほとんど無視できる数値という考えがあります。

実際CULT化を試みるよりタイヤをより高性能にしたり、ライディングポジション調整やシューズカバーでの抵抗削減を図った方が費用対効果が圧倒的に大きいということになります。このCULT化には賛否両論ありそうですが、まぁ、最大のメリットはベアリングのグリスフリー化によってベアリングの寿命が延び、メンテナンスがかなり楽になったことでしょう。

あとはボーラワンとボーラウルトラの見た目の差とプラシーボ効果です。(実際ボーラウルトラの方が見てくれは上)

アルミハブとカーボンハブ

ベアリングの他にもう一つの違いは、ハブの構成です。

ボーラワンはアルミハブ。ボーラウルトラはカーボンハブ。

スペック的にはカーボンハブのボーラウルトラの方が剛性が高いことになります。

↑ボーラウルトラのハブ。カーボン製。

ボーラワン(35・50)とボーラウルトラ(35・50)のスペック比較

さて、ベアリング論争が長くなってしまいましたが、ボーラワンとボーラウルトラの基本スペックを見てみましょう。なお以下に挙げるのはクリンチャー用のみです。2016年1月時点の情報です。ちなみにボーラウルトラにはリムハイト80mmもありますが、これはチューブラーのみ対応なので今回は割愛します。

ボーラワン35 (Bora One 35)

出典:http://www.campagnolo.com

重量:1406g (フロント600g、リア805g)
リムの素材: カーボン
ベアリング: USB
ハブの素材: アルミ
リムの高さ: 35mm
リムの幅: 24.2mm
スポーク数: フロント 18、リア 21
互換性: 9, 10, 11速
ラベル:ダークラベル・ブライトラベルの2種類
対応:シマノ/SRAM・カンパ用
→詳細と画像、現在価格はコチラ

ボーラワン 50 (Bora One 50)

出典:http://www.campagnolo.com

重量:1485g (フロント655g、リア830g)
リムの素材: カーボン
ベアリング: USB
ハブの素材: アルミ
リムの高さ: 50mm
リムの幅: 24.2mm
スポーク数: フロント 18、リア 21
互換性: 9, 10, 11速
ラベル:ダークラベル・ブライトラベルの2種類
対応:シマノ/SRAM・カンパ用
→詳細と画像、現在価格はコチラ

ボーラウルトラ35 (Bora Ultra 35)

出典:http://www.campagnolo.com

重量:1370g (フロント585g、リア785g)
リムの素材: カーボン
ベアリング: CULTベアリング
ハブの素材: カーボン
リムの高さ: 35mm
リムの幅: 24.2mm
スポーク数: フロント 18、リア 21
互換性: 9, 10, 11速
ラベル:ダークラベル・ブライトラベルの2種類
対応:シマノ/SRAM・カンパ用
→詳細、画像、デモ映像、現在価格はコチラ

ボーラウルトラ50 (Bora Ultra 50)

出典:http://www.campagnolo.com

重量:1435g (フロント630g、リア805g)
リムの素材: カーボン
ベアリング: CULTベアリング
ハブの素材: カーボン
リムの高さ: 50mm
リムの幅: 24.2mm
スポーク数: フロント 18、リア 21
互換性: 9, 10, 11速
ラベル:ダークラベル・ブライトラベルの2種類
対応:シマノ/SRAM・カンパ用
→詳細、画像、デモ映像、現在価格はコチラ

ボーラワンとボーラウルトラのインプレ

ボーラワンとウルトラのインプレはまた別記事にてまとめたいと思います。やはりどちらもディープリムならではの巡航速度、向い風への強さ、時速40km以上での速度の維持のしやすさが挙げられます。また他メーカーのディープリムに比べて重量が軽いのも特徴です。

2016/11/25記事追加

Bora Ultra50クリンチャーを購入しました!

インプレ記事はコチラから↓

Bora Ultra 50 クリンチャーインプレその1【到着編】

Bora Ultra 50 クリンチャーインプレその2【実走編】

Bora Ultra50インプレその3【CULTベアリングの効果はあるのか?】

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で、結局ボーラワンとウルトラどっちがおすすめなの?

改めて見ると、ボーラワンとボーラウルトラの大きな違いは「ベアリング(USB or CULT)」「ハブ(アルミ or カーボン)」「重量」「デザイン」です。
ベアリングとハブの違いは先述した通りで、あと気になる所は重量の差です。ボーラワンとボーラウルトラでは35mmで約35g、50mmで約50gほどの重量差があり、どちらもボーラウルトラの方が軽いです。このグラム差はハブの微妙な削り具合等から生じる差ですが、グラム単位で重量を気にするロードレーサーにとっては大きな要素かもしれません。(自分の体重減らしたほうが早いけど)。あとはデザインの差です。やはりボーラウルトラの方が欲求という意味では満たされるかもしれません。。。

とは言っても、もともと高価なボーラですが、ボーラワンとボーラウルトラでは10万円近くボーラウルトラの方が価格が高いです。このベアリングと重量とデザインの差に10万円を投資できるかどうかの違いです。

出典:http://www.campagnolo.com

ちなみにUSBであるボーラワンのベアリングをCULTベアリング化してくれるサービスもあったりします。ベアリングの性能差だけを気にするのであればボーラワンを購入してCULT化という手段をとった方がコスト的には安く抑えることができるでしょう。
私の場合は「やっぱボーラウルトラのデザインとスペックを試してみたい・・・」となること必至なので、多少財布を削ってもボーラウルトラを選ぶことになります。(笑)
多分多くの方は「あぁ、やっぱりボーラウルトラが・・・」となるかもしれません。。。

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ボーラワンとウルトラを安く購入できる通販は?

ボーラワンは定価で24万超え。ボーラウルトラは定価で34万超えの高額ホイールです。Amazonにもラインナップはありますが、やはり高いです。
割引率の多い海外通販のWiggleで購入するのが一番かと。大体20%~30%オフで手に入ります。

 

2016/11/25記事追加

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インプレ記事はコチラから↓

Bora Ultra 50 クリンチャーインプレその1【到着編】

Bora Ultra 50 クリンチャーインプレその2【実走編】

Bora Ultra50インプレその3【CULTベアリングの効果はあるのか?】

 

 

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